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胃がん

胃がんについて

胃がんは、何らかの原因により胃壁の内側にある粘膜細胞ががん細胞に変異し、無秩序に増殖することで生じるがんです。
がん細胞は、巨大化するにつれて胃壁の外側に広がっていきます。また、さらに浸潤が進むと、胃壁の周囲のリンパ節、大腸や膵臓、腹膜などの他臓器にも転移していきます。

胃がんの初期症状

胃がんの初期症状胃がんは、初期段階では自覚症状が乏しいですが、進行に伴って様々な症状が起こります。
よくある症状には、みぞおちの不快感や痛み、胸焼け、吐き気、食欲低下、体重減少などが挙げられます。こうした症状は胃がんに限らず、他の疾患でも起こるものなので、検査を受けて原因を特定することが大切です。
また、胃がんから出血が起こり、排泄されるまでに酸化して黒い便が出ることもあり、これがきっかけとなって検査を受け、胃がんが発見されることもあります。

胃がんのステージ

胃がんのステージ胃がんはTNM分類という判定基準をもとに進行度が評価されます。
TNM分類は、がんの深達度(T)、リンパ節への転移の有無・数(T)、遠隔転移の有無(M)の3つの項目を組み合わせたものです。
進行度は大きく分けるとⅠ~Ⅳ期の4段階がありますが、I~III期はさらにⅠA、ⅠB、ⅡA、ⅡB、ⅢA、ⅢB、ⅢCに分けられ、合計8段階あります。

ステージⅠ

ⅠA:がんが粘膜下層に留まっており、リンパ節には転移していない状態。
ⅠB:がんが固有筋層にまで及んでいる、もしくは粘膜下層に留まっているもののリンパ節への転移が1~2個ある状態。

ステージⅡ

がんが漿膜表面を出ているが、他の臓器には広がっていない状態、
深達度とリンパ節の転移の数に応じてⅡA~ⅡBに分けられます。

ステージⅢ

がんが漿膜表面を出て、他の臓器にも広がっている状態。
深達度とリンパ節の転移の数に応じてⅢA~ⅢCに分けられます。

ステージⅣ

最も悪化した状態で、胃壁を超えて他臓器にまで遠隔転移した状態。
治療は、ステージⅠAの段階では内視鏡治療により対応できますが、ステージⅠB~ⅢCの段階では外科手術となり、ステージⅣでは抗がん剤を用いた化学療法を行います。外科手術や化学療法が必要と判断される場合、連携している高度医療機関をご案内します。

胃がんの原因

胃がんが発症する具体的なメカニズムはまだ解明されていませんが、発症リスクを高める要因は明らかになっています。その中でも、「ピロリ菌への感染」が最も重要な要因として挙げられます。ピロリ菌感染によって引き起こされる慢性的な胃粘膜の炎症は、胃がんの主な原因の一つと考えられています。
さらに、塩分の多い食事や野菜・果物の摂取不足、喫煙、過度な飲酒、そしてストレスといった生活習慣も、胃がんのリスクを高める要因とされています。

ピロリ菌感染

胃がんの検査・診断

胃カメラ検査(胃内視鏡検査、上部内視鏡検査)胃がんの検査には、胃カメラ検査とバリウム検査の2種類があります。
胃カメラ検査では、胃粘膜を直接観察でき、疑わしい病変が見つかった場合は組織を採取して、病理検査に回すことで確定診断に繋げられます。また、ピロリ菌除菌後の胃がんは、胃粘膜表面に赤い凹凸が認められるため、色調を確認できないバリウム検査では早期発見が難しいです。そのため、ピロリ除菌後の胃がんの早期発見には胃カメラ検査が適しています。
当院では、最新鋭の高性能な内視鏡システムを導入しており、苦痛や痛みをほとんど感じることなく検査を受けられます。安心してご相談ください。

胃カメラ検査

胃がんの治療

当院では、胃がんが認められた場合、適切な治療方針をご提案いたします。

内視鏡治療

がんが胃粘膜に留まっており、転移が認められない場合は、内視鏡による切除治療を実施します。手術よりも侵襲性が低く、切除範囲も限られるため術後の回復が早いというメリットがあります。
内視鏡治療は、内視鏡的粘膜切除術(EMR)と内視鏡的粘膜下層切除術(ESD)に分類されます。

内視鏡的粘膜切除術(EMR)

スネアを病変に取り付けて高周波電流を流すことで切除する方法です。

内視鏡的粘膜下層切除術(ESD)

内視鏡先端から電気メスを取り出し、周囲の粘膜を切開して病変を剥がす方法です。
ピロリ菌の感染が認められる場合、内視鏡治療後にピロリ菌除菌を行いますが、これにより将来の胃がん発症率が33~50%ほど低下すると考えられています。なお、除菌を行っても発症リスクは0にはならないため、定期的に胃カメラ検査を受けましょう。

外科手術・化学療法

外科手術や化学療法が必要と判断される場合、連携している高度医療機関をご案内します。

外科手術

がんが筋層以上に達している場合、外科手術を行います。手術は、臍上を20cmほど切開した後にがんを切除する「開腹手術」、腹部に1cmほどの穴を数ヶ所つくり、その穴から腹腔鏡や鉗子を挿入して切除する「腹腔鏡手術」に分けられます。
手術後、がんの再発を予防するために一定の期間は抗がん剤を使用することがあります。この化学療法を「補助化学療法」と言います。

抗がん剤(化学療法)

化学療法は、切除が困難な胃がんに対して行う治療法で、抗がん剤を使用します。治療は1次療法から開始し、治療効果や副作用によって2次療法、3次療法と進めていきます。
胃がんの発生には、HER2というタンパク質が関与していることがあり、検査が行われます。陽性の場合、トラスツズマブというお薬を用いた治療を行います。また、昨今は免疫チェックポイント阻害薬と呼ばれる新薬が開発され、抗がん剤治療の選択肢が増えています。

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