大腸ポリープ切除の
日帰り手術に対応
内視鏡を用いたポリープ切除を日帰り手術として外来で行っています。当院ではがん化する可能性のある大腸ポリープ限定にはなりますが、内視鏡による切除が可能という場合に同治療を行います。その際は術後の注意点なども医師から説明があります。
大腸ポリープ切除方法
大腸ポリープの切除方法については、ポリープの種類によって異なります。
切除したポリープは回収します。なお切除の対象となるポリープは、大腸ポリープで直径5mm以上~2cm未満としています。手術時は基本的に静脈麻酔下で行われ、時間は15分ほどです。また切除したポリープは病理検査によって良性もしくは悪性の判定もいたします。
手術内容など、詳細につきましては、お気軽にご相談ください。
ポリペクトミー
丈(茎)があるポリープに関しては、ポリープの首に当たる部分に輪っか状になっている金属製のワイヤー(スネア)に通して、ポリープを締め上げていき、その際に高周波の電流を同時に流して焼き切る施術になります。
内視鏡的粘膜切除術:EMR
茎のようなものがないポリープでは、ポリープ周囲の粘膜に局注針を刺入します。そこに生理食塩水などを注入してポリープを盛り上げた状態にしてから、スネアを通して締め上げ、同時に電流を流して焼き切る施術(内視鏡的粘膜切除術:EMR)などをしていきます。
コールドポリペクトミー
当院では通電しないで切除するコールドポリペクトミーも対応しております。コールドポリペクトミーとは高周波の電流を使用せずに、大腸の粘膜の皮一枚をはぎ取るように切除する方法です。粘膜下層を傷つけることなく、出血や穿孔の偶発症が少ない切除方法です。心臓ペースメーカーや金属製ステントを留置している方、抗血栓薬を内服されている方でも可能な切除方法です。
大腸ポリープとは?
がん化する?
ポリープは、上述したとおりがん化する可能性のある「腫瘍性」、がん化リスクは低いものの出血などの症状を起こす「非腫瘍性」に大別されます。
このうち、腫瘍性ポリープの「腺腫」は、放置しているとがん化する可能性があるため、早い段階で切除することが推奨されます。また、非腫瘍性ポリープの「過形成ポリープ」は、以前はがん化リスクがないと考えられてきましたが、昨今では巨大化した場合、あるいは上行結腸や横行結腸に発生した場合はがん化する可能性があると分かりました。
このように大腸ポリープは前がん病変であるため、初期のうちに切除することで将来的ながんの発症を防ぐことが可能です。
大腸ポリープが
できやすい人・原因
食生活の関係
食生活が影響して大腸ポリープの発生リスクが高まると言われています。特に、カロリーが高い食事や肉類(加工肉や赤身肉の食べ過ぎ)をよく食べる方は、大腸ポリープや大腸がんができやすいと言われています。一方、食物繊維が豊富な食べ物や野菜は、大腸ポリープの発生を防ぐことができます。
遺伝の関係
大腸ポリープと大腸がんは遺伝要因もあり、家族性大腸腺腫症やリンチ症候群などの種類があります。大腸ポリープや大腸がんの家族歴がある方は、早めに大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。
生活習慣の関係
大腸ポリープや大腸がんは、アルコールの過剰摂取、喫煙、肥満など生活習慣の乱れも原因となります。こうした生活習慣を改善するとともに、適度な運動を習慣的に行うことで大腸ポリープや大腸がんの発症予防が期待できます。特に、大腸がんを発症したご家族がいる方、40歳以上の方は発症リスクが高いため注意しましょう。
大腸ポリープができても
症状がない?
大腸ポリープは初期では自覚症状が乏しいですが、巨大化すると次に示すような症状が起こることがあります。
大腸ポリープ予防
大腸ポリープの予防には。以下の内容を意識しましょう。
健康的な食生活
大腸を良い状態に維持するため、ビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含む野菜、果物、穀物を摂取しましょう。また、大腸ポリープの発生リスクを高める高カロリー食や肉類などの食べ過ぎは控え、バランスの摂れた食事を意識しましょう。
運動
適度な運動を習慣化することで大腸の蠕動運動の働きを促し、便通が良くなります。
喫煙と飲酒の制限
過剰な飲酒や喫煙は、大腸がんの発症リスクを高めてしまいます。そのため、飲酒は程々に抑え、禁煙に取り組みましょう。
遺伝的要因の認識
大腸がんの家族歴がある場合、大腸ポリープや大腸がんの発症リスクが高いため、検査を受けて予防に取り組みましょう。
大腸カメラ検査の受診
大腸がんは40代からリスクが急激に高まるため、定期的に大腸カメラ検査を受けましょう。検査中にポリープが発見された場合、その場で切除することで将来的な大腸がんの発症を防ぐことができます。